作品力を高めるテールライト

■ 赤いテールライトの光跡でよりドラマチックな作品に!

夜景写真の楽しみの一つに光の光跡がある事について別章でご案内いたしましたが、
ここでは夜景写真をよりドラマチックに見せるテールライトの光跡テクニックについてご紹介させていただきます。
夜景を撮影する時に皆さんは何かテーマを持たれていらっしゃいますでしょうか?例えば空の色、月、色、反射光…
夜景はありとあらゆる人工光、自然光が集まって一つの景色を生み出していますので、その中から何かテーマを見つけてみるのも夜景写真の楽しみ方の一つであると思います。
ここでご紹介するのは、私が持っているテーマの一つであるテールライトのある夜景です。車や電車の赤いテールライトですね。
ふつうに撮影しても十分といえる夜景写真に、一条の赤いテールランプが写し込まれる事によって、よりドラマチックな作品へと仕上げる事ができます。
下に4つの作例を掲載してみました。どちらの写真も手前に暗い部分が占めているため作品全体が暗く重い感じに受け止められがちですが、車の通過するタイミングに合わせてシャッターを切り、赤いテールランプを写し込むことによって、よりドラマ性のある作品へと仕上げる事ができます。
ただし場所によっては車が1時間に数台なんて事も…こればかりは運としか言いようがありませんね。
これは有名撮影地よりも、ふだんは誰も撮影をしないような地元の一角で撮影をしてみると面白いかと思います。皆さんもぜひ挑戦してみてくださいね!

 

これだけでも夜景写真としては十分かもしれませんが、
よく見ると手前に道路が走っているのがわかります。
もし1台でも車が通過してくれたらどんな仕上がりになるんだろう?
そんな事を考えながら撮影をするのって楽しいですよね。

待つ事5分、ようやく1台の車が通過してくれました。
カメラをセットアップしてから1台も車が通過していなかったので、
本当に来るんだろうか?という不安を抱きつつ、空はどんどん暗くなりつつ…
左の写真とはだいぶ印象が異なると思いませんか?

暮れ行く空、この日は放射状に広がる雲がとても印象的でした。
静かな住宅街の真ん中という事もあって、車もほとんど通りませんでしたが
空が見えるギリギリの時間まで粘る事にしました。
車が来るかどうかはほとんど運次第ですね。

待つ事数分、1台の車がやってきました。
シャッターを切るタイミングは車が自分の真横を通過した瞬間がベストでしょう。
早いうちからシャッターを切ってしまうと、車のテールライトの光が地上部分に
多く露光されてしまい、地面がかなり明るく写し込まれてしまいます。
それによってせっかくの赤い光がかき消されてしまうので注意が必要です。

深夜の工場地帯です。
一般道路に隣接している工場ともなれば、ぜひテールライトを写し込みたいもの。
さすがに深夜とあって通過する車は皆無…
なかなか簡単には写させてもらえませんでした。根気と眠気との戦いです!

待つこと15分、ようやく1台の車が通過してくれました。
この日の朝刊を輸送する新聞配達の車でしたね。
メタリックな様相を見せる工場夜景に1条の赤い光が入る事によって
躍動感のあるパワフルな作品に仕上げる事ができました。
これで眠気も一気に吹き飛びましたね(笑)

東京郊外の閑静な住宅街の道です。
背後には駅周辺の街灯りがキラキラと輝いており、明と暗の対比という形に
作品を表現してみるのも悪くはありませんが、やはりここはワンポイント
何かが欲しいところです。

そこで車の赤いテールライトを写し込んでみたところ
躍動感に加え、手前から奥へと続いていくラインの流れにより
1つのストーリーが生まれました。
このように全く同じ場所でもテールライトの有無で作品の見え方が全く違って
くる事がおわかりいただけたのではないかと思います。

☆画像の共通データ☆

カメラ キヤノンEOS 5DmarkⅢ  レンズ キヤノンEF24-105mm F4L  三脚使用
感度200  シャッター速度20~30秒  絞り11  ピントはマニュアルフォーカス  ホワイトバランスは太陽光 RAW→JPEG

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