夜景撮影と三脚の関係

夜景撮影において三脚は欠かす事の出来ないアイテム!

ここでは夜景撮影において欠かす事の出来ない機材の一つでもある三脚について説明していく事にしましょう。
三脚といえば「重い・邪魔・大きい・持っていくのが面倒くさい…」などといった苦言をとても多く耳にします。
中には「夜景撮影なんて手持ちで十分」といった声さえ聞く事もありますね。
確かに今のデジタル一眼は高感度特性が飛躍的に向上しているので、夜間でも手持ち撮影が十分に可能となりました。
夜景が写っていれば良い、という事であればそこまでですが、そこで終わらないのが夜景写真の奥深さだったりします。
手持ち撮影の方がフットワークも良くなるので一箇所あたりの撮影時間が短縮でき、
より多くの場所を回る事が出来るというメリットも確かにあるかもしれません。
では本当に三脚は必要無いのでしょうか?わざわざ三脚を使うメリットとは何でしょう?
綺麗な夜景写真を撮ってみたい!とお考えであれば、夜景撮影において切っても切れないくらい
大切なアイテムだといえる事について以下に思いつくまま記してみましたので、ぜひ一読ください。

夜景撮影における三脚のメリット

1・カメラブレを防ぐ

皆さんが「三脚の効果」と聞いて真っ先に思い浮かぶ事といえばカメラブレの防止ではないでしょうか?
夜景写真はシャッターの開いている時間を長くする事によって暗くても綺麗に写す事が出来ます。
現在、手ブレ抑制機能の付いたカメラやレンズが数多く出回っているものの、さすがに1秒以上の長時間露光に関しては
手持ちでブレの無い画像を撮影するのは不可能といえるでしょう。
通常の夜景撮影においては5秒とか10秒、さらには30秒以上なんて事はよくあります。
夜景撮影においてはちょっとしたカメラブレが致命傷となって仕上りに悪い影響を及ぼす事があります。
L判プリントサイズでは目立たなかったカメラブレも、A4やA3サイズに引き伸ばしてみると
驚くほどはっきりと目立ってくるものです。
ブレの無いシャープな夜景写真を撮るためにも、三脚は必要不可欠の機材といえるでしょう。

2・より低い感度で撮影ができる

デジタル一眼レフの特徴の一つに、自由に感度設定の変更が出来るという機能があります。
フィルムカメラにおいてはフィルムをカメラにセットする時に目的に合った感度のフィルムを
入れてましたが、デジタルカメラでは毎回感度を変えて撮影をする事が出来るわけですね。
ならば夜景を撮る時は感度を上げて手持ち撮影をすれば良いのでは?って思われがちですが
感度を上げれば上げるほど暗部にノイズが乗ってきてしまい、ザラつき感のある画像が生まれてしまいます。
さらに歩行者の姿がはっきりと写り込んでしまい、画面全体がざわついた感じに仕上がってしまいます。
(時には雰囲気を生かすために人を写し込む事もありますが、トラブル防止のためにも通常は
写し込まない方が賢明といえるでしょう)
三脚を使用する事によって低感度設定が可能となり、ノイズの少ない綺麗な写真を撮る事ができます。
さらに車や電車の光の筋(光跡)を長く写し込むためには1秒以上のシャッター速度が求められるため
三脚が必要となってくるわけです。

◆光跡写真こそ三脚撮影の醍醐味!

このような長時間露光による光跡写真は三脚を使用する事によって誰もが撮る事ができます。
手持ち撮影では不可能とされる夜景写真ならではの独特な世界観!
ぜひ皆さんにも体感していただきたいと思います。
車の光、電車の光、飛行機の光跡、船の光跡など光を発しながら動くもの全てが被写体となります。
一度ハマると抜けられない楽しさがありますよ(笑)

 

3・フレーミングを固定する

三脚を使用するメリットの一つにフレーミングを固定できるという点があります。
夜景撮影において多重露光や段階露光、HDR撮影を行なう場合に三脚は効力を発揮します。
また新たな表現方法でもあるハイレゾショットやコンポジット撮影、タイムラプス撮影においても三脚は必須アイテムとなります。
連続したパノラマ合成写真を撮影する時にも三脚は重要な役割を果たします。
水平をきちんと出して複数のショットが重なり合う部分をファインダーで確認をする時により高い精度をもった撮影が出来るというわけですね。

4・パンフォーカスで撮影する

パンフォーカスとはレンズの絞りを絞り込む(数値の大きい方にする)事によって手前から奥まで画面全体にピントの合った写真の事をいいます。
絞り込むという事は逆に言えばシャッター速度がその分だけ遅くなるわけで、カメラブレを起こしやすくなります。
そこで三脚を使用する事によってブレをシャットアウト!
画面の隅々までピントがシャープに合った夜景写真を撮る事が出来るというわけです。
遠近感のある画面構成の時に特に有効といえる手法でしょう。

5・記念撮影が撮れる!

三脚といえば記念撮影がありますね。セルフタイマーをセットして撮影をする場合において三脚はその効力をいかんなく発揮してくれます。
狙い通りのフレーミングで彼女との思い出に一枚、そして自らの記念に一枚…
決して忘れる事の出来ない素敵な思い出の一枚を残す事ができるでしょう。
そうそう、記念撮影の時はフラッシュを使用する事もお忘れなく!

例外・場所取りができる?

これはマナーに関わる問題でもありますので、皆さんにはくれぐれも節度のある行動をお願いしたい点ですが、有名撮影地などにおいて三脚を場所取りの道具として使っている写真愛好家の方々の姿をよく目にします。
これまで長年暗黙の了解として行なわれてきた行動でもあったのですが、この場所取り合戦がとんでもない事態を引き起こしてしまったのです。
夜景スポットとしても有名な東京のとあるビルの展望室において三脚の使用が一切禁止となってしまいました。
原因は写真愛好家による三脚を使っての場所取り行動によるもので、窓際に三脚が林立し多くの見学者と施設運営者に迷惑をかけてしまった事でした。
この事は夜景愛好家ばかりか写真愛好家にとってもショッキングな出来事となったようですね。
展望室は公共の場所であって写真愛好家のためだけに提供されている場所ではありませんので、マナーを守ってお互いが気持ちよく利用する事が出来るようにしたいものです。

 

■ 結論としてどのような三脚が夜景撮影に向いているのか?

では夜景撮影において、どの程度の大きさの三脚を用意すればよいのでしょう?
簡単に言ってしまえば、「大きくて、思い三脚」が一番お勧めです (笑)
と言われても困っちゃいますよね?これはあくまでも理想論、実際は移動手段や体力によってある程度の妥協が必要といえます。
使用するレンズの焦点距離にもよりますね。20mm~100mmくらいのレンズしか使わないという方もいれば、300mmも使うという方もいらっしゃいます。
ある程度本格的に夜景撮影をしてみたいという方のために、おおよその目安を出してみたのが次の数値です。
基準はエレベーターを使用しない状態での全高150cm、雲台を合わせた重量3kg
素材はアルミでもカーボンでもお好みに合わせて選んでいただければ良いかと思いますが、この数値を満たしてさえいれば
たいていの夜景撮影は満足のいく仕上がりが得られるかと思います。
逆に購入時に絶対に選択して欲しくない三脚は…?
各メーカーから「デジカメ用小型」と称されている三脚だけは夜景撮影においては避けておいた方が賢明といえるでしょう。
確かに見た目は小さく軽いのですが、デジタル一眼で夜景撮影を行なうにはあまりにも不安定であるといえるからです。
夜景撮影の大敵はカメラブレ、デジカメ用の小型三脚ではちょっとした風や振動に弱いので選択肢からは外しておいて頂きたいと思います。

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