スマートフォンで夜景撮影に挑戦!

スマートフォンで夜景は綺麗に撮れるのか?

今や多くの人が持ち歩いているスマートフォン、通称スマホはネットやメールのみならず便利な機能が満載されています。
中でもカメラの機能は従来の携帯電話のものよりも大幅に性能が上がり、静止画や動画がクッキリと綺麗に写せるアイテムとなった今、各社から販売されているコンパクトデジタルカメラの存在を脅かすまでになりました。
ではそのスマホで果たして夜景は綺麗に撮影ができるのか?これまでスマホで夜景撮影の経験が無かった私、犬飼がこのたび初挑戦してみました!

今回用意した機材はこちら

今回用意をしたものはこちらの2点です。
まずスマホ本体、市場はi-phoneが多数を占めていますのであえてAndroidのスマホを使ってみることにしました。
夜景撮影は通常、長時間露光という手法を用いて暗い景色を明るく写すようにしています。そこで今回の撮影にあたり、長時間露光ができるように無料のカメラアプリ「camera FV-5」というものをインストールしてみました。ちなみにi-phoneには「Slow Shutter Cam」という長時間露光ができるアプリがあるようです。
そしてもう一つのアイテム、通称「自撮り棒!」
セルフィースティックなどという名称で販売されておりますが、いわゆる自分(たち)を記念撮影するための便利なアイテムで、これもたくさんの方がお持ちだと思います。私が用意したものは国産の三愛商店製、「viewing」VMP-07Hという商品です。i-phone6Plusサイズまで使えるみたいですね。
では撮影の前に夜景撮影に合わせてアプリの設定を行ないましょう!
左がcamera FV-5を起動させた時の画面です。
夜景撮影を行うにあたり、次の設定を予め行なっておくと便利です。①カメラ設定
画像解像度 → 640×480が最高になります。
長時間撮影 → 960×720を選びましょう。
いま撮った写真を見る チェックを入れます
撮影画像の表示時間 → 2秒くらいかな?
撮影前にフォーカスを合わせる → チェックを入れますその他の機能は何も設定をしなくても良いでしょう
②撮影モードの設定
「P」をタップすると「P S」が表示されますので「S」をタップします。
すると左上の画面に変わりますので、任意設定を選び10秒くらいに設定します。(右上画面は15秒の設定を表わしています) 設定後にOK。③撮影ツールの設定
中央のセルフタイマー斜線を選んでおきます。
セルフタイマーは2秒にしておきましょう。(詳細は後ほど説明)④フラッシュモード
オフにしておきます。⑤ホワイトバランス
通常はオートホワイトバランス(AWB)で大丈夫です。

⑥フォーカスモードは無限大「∞」にしておきます。

イルミネーションを撮影してみよう!

まずやってきたのが新宿にあるイルミネーションスポット。
イルミネーションそのものは夜景に比べて光の輝度が高いので、比較的手持ちでも撮影をする事は可能ですが、それでも日中の撮影に比べたらシャッター速度はかなり遅くなるものです。
手持ち撮影では手ブレのリスクが高くなり、せっかく撮った画像がブレていた!なんて事がよく起こります。ではどうすれば良いのか…?それを解決してくれるのが我らが自撮り棒なのです!
え?余計にブレてしまうんじゃないかって?
いわゆる自撮りを行うような使い方をすれば当然ブレてしまいますが、ここでは「三脚の代わり」として使います。それではさっそく撮影をしてみましょう!
おっとその前に…一度スマホのレンズ部分をハンカチなどで綺麗に拭いておきましょう!常に持ち歩いているスマホのレンズ部分は、おそらくご自身の指紋で汚れていると思いますので…念のため。
セッティング方法は左のようにツリーにもたれかけるように軽く立てるだけの簡単なものです。
実際にやってみるとわかるのですが、意外とバランス良く立ってくれます。
シャッターを切る時は必ず「セルフタイマー2秒」で撮りましょう。
直接指でシャッターを切ると、画面を押した時の振動でブレが起こりますので十分気をつけてくださいね。
自撮り棒を立てる時は、軽く乗せるだけです。間違っても土台に穴を開けたりしないようにしてくださいね。
左がスマホで撮影をした画像です。
とてもスマホで撮ったものとは思えないくらい幻想的に仕上げるができました。左下にポヤポヤとピンク色に見えているものは、スティックを立てたツリーの飾りで、右下に輝いているのは電飾です。スマホのレンズのすぐ前にあるのですが、ピントは無限遠にしてありますので、手前のものはすべてボケて写るわけですね。
まるで一眼レフで撮影をしたような、綺麗なボケ効果が得られました。
この時のホワイトバランスはオート、シャッター速度は2秒にしています。
今度はツリーをセンターに配置して人物も入れてみました。
強い照明による逆光となっていますが、一眼レフに見られるような強いゴーストやフレアによる影響がほとんど出ておらず、レンズ口径の小さなスマホならでは、といったところでしょうか。
いくら見た目には明るいからといって、手持ち撮影は厳禁!
自ら試してみましたが、8割以上のカットにおいて手ブレが見られました。
ここではどのように自撮り棒をセッティングしているのでしょうか?
下のカットをご覧ください。
ここにはなんと、自撮り棒を差し込むのにちょうど良いサイズの穴があいているではありませんか!これを利用しない手は無い、とばかりに差し込んでみたところ、棒が回転したり斜めになったりする事もなく、非常に安定をした状態を保つことができました。
といってもシャッターを切る時は必ず2秒セルフタイマーを使うようにしましょう。棒そのものが安定していても、シャッターを押した時の振動までは避けられませんからね。ここでのシャッター時間は2秒
ホワイトバランスは晴天モードにしてみました。
こちらもブルーやグリーンの光に包まれたイルミネーションです。2秒のセルフタイマーで撮影。
イルミネーションまでの距離が極めて近かったこともあり、シャッター速度は2秒にしてみました。イルミネーションまでの距離が遠くなるほど写しこまれる輝度も低くなるので、何度かシャッターを切りながらお好みの明るさを割り出してみると良いかもしれませんね。
ここでは遠くにオレンジ色の電飾が、そして左背後にもオレンジ色の照明のお店があったので、見た目に近い自然な感じの色合いを出すためにホワイトバランスは太陽光に設定してみました。
同じイルミネーションをふんわりと軟らかく幻想的に仕上げてみました。
仕上げるといっても画像レタッチを行なったのではなく、スマホのレンズを自分の息で軽く曇らせただけ。
たったこれだけのことでご覧のような写真を撮ることができます!
実際に息をかけてみるとわかるのですが、冬場は空気が乾燥しているため息をかけてもすぐに曇りは取れてしまいます。
なので2秒のセルフタイマーをセットして、シャッターボタンを押してから息をゆっくり目にかけてあげれば成功するはずです。ぜひお試しを!
あ、そうそう、一度曇らせた場合は撮影後にレンズ部分をハンカチなどで拭いておいてくださいね。湿気などでレンズが曇ったままになっていると、次の撮影に支障をきたしますので!
これが撮影状況です。
皆さんもやってみるとわかるのですが、植え込みに自撮り棒を立てかけるだけでご覧のように簡単に固定をする事ができます。角度調整はホルダーについているネジでOK。棒の足元はタイルの上に置いているだけで、植え込みの中に無理やり差し込んだりする必要は全くありません。これだけで三脚の代わりになり、夜景撮影がグンと楽になるのですから試さない手はありませんね。
ちなみに自分の周りには多くの自撮り棒を持たれた方がいらっしゃいましたが、誰一人としてこの方法でイルミネーションを撮影している人はおりませんでした。逆に「この人何をやっているんだ?」って不思議そうな目で見られたくらいですね…(苦笑)
もし自分のカバンの中に自撮り棒をお持ちでしたら、今すぐにでもこの方法を試されることをお勧めします!

街の夜景を撮ってみよう!

続いて街の夜景を撮影してみましょう。
駅前ということもあって比較的明るい場所でしたので、シャッター速度は2秒にセットしてみました。
ここでは歩道橋の上から撮影をしているのですが、左側の車線は激しい渋滞をしている事もあって車はほとんど動いておりません。なので形がクッキリと写っていますが、反対の車線は車の流れが良かったので光跡となって写りました。
今回使用をしたcamera FV-5というアプリですが、長時間露光の撮影をする時は連続シャッターを切った画像を1枚に合成をする手法を用いているようで、一眼レフのように長い時間シャッターを開けっ放しにするわけでは無いみたいですね。車のヘッドライトの形が丸い玉となって写っていましたが、これはこれで面白いかもしれません。
i-phoneのSlow Sutter Camというアプリは一眼レフのようにレンズシャッターが長い時間開くようになっているそうで、光跡が綺麗なラインとして写るようです。
ビル街の交差点で撮影をしてみました。
自撮り棒は街路樹脇にある植え込みに差し込んで立たせてみました。
撮影をしたのが土曜日のオフィス街ということもあって付近の光量はかなり低く、どう頑張っても手持ち撮影ではブレてしまう状況です。ここでのシャッター速度は10秒、もちろんシャッターを切る時はセルフタイマー2秒を併用しています。向こう側から車がやってくるのを見ながらシャッターを切ってみました。
さすがに10秒間も露光していただけの事はあって、真っ暗に近いオフィス街も綺麗に写ってくれました。
ホワイトバランスは太陽光にしています。

ビルの展望室から撮ってみよう!

今度は高層ビルの展望室から撮影をしてみましょう。
展望室はガラス越しの撮影となりますので、これまでのように自撮り棒をガラス面に立てかけて撮影をすると、ご覧のように窓に反射した室内の光が写り込んでしまいます。皆さんも一度は経験のある現象ではないでしょうか。余談ですが、よくスマホを手に持って撮影をされたり、ガラス面に押し付けて撮影をされている方をみかけますが、いずれの場合も写り込みは避けられません。
またピタリとスマホを窓に圧着させて撮影をされる方もいらっしゃいますがその場合、真っ暗な空が写る面積が多くなってしまい、地上の光が画面の下の方に少し見えるだけの結果となってしまい好ましくありません。
ここはやはり空と地上の比率を2(空):8(地上)か3:7くらいに写したいものですね。
ではどうしたら室内の光を写りこまないように出来るのでしょう?
答えは簡単、ご覧のようにハンカチでスマホのレンズ側(ここでは左半分)を覆ってあげるだけでいいのです!これなら誰でも簡単にできますよね。ちなみにこの撮影地は西新宿にある東京都庁展望室ですが、三脚の使用は禁止されております。さすがに時撮り棒は禁止されておりませんのでご安心ください。
ご覧のように立てかけるだけ、あとはホルダーのネジで空と地上のバランスを調整すればOKです!
上の条件で撮影をしたのがこちらの画像です。
暗部のディテールこそ一眼には及ばないものの、スマホって十分綺麗に撮れるんだ!というのが率直な感想ですね。
これまで一度もスマホでの夜景撮影経験が無かった自分にとって、これはまさに目からウロコでした。
見た目にはかなり暗く、かすかに地平線が赤いかな?という状況でしたが、遠くの山の稜線までもが綺麗に写ってくれました。ここでのシャッター速度は15秒、ホワイトバランスはオートです。
ハンカチ1枚で室内の写り込みもシャットアウト!
あ、ただしなるべく暗い色のハンカチを使ってくださいね。明るい色だと写り込んでしまう恐れがありますので。

ホワイトバランスを変えてみよう

スマホを含むデジカメの特徴の一つとしてホワイトバランスという設定があります。ふだんはオートホワイトバランスで使用されているかと思いますが、
意図的に変えてみる事によって全体の雰囲気の異なった写真に仕上げる事が出来ます。
下に4種類の異なったホワイトバランスで撮った写真を載せてみました。皆さんはどの色調がお好みですか?
お使いになられているスマホによってホワイトバランスの色調は若干異なりますが、一度試してみて自分の好みを見つけてみてはいかがでしょうか?

ホワイトバランス晴天

ホワイトバランス曇天

ホワイトバランス蛍光灯

ホワイトバランス白色電球

スマートフォンで夜景撮影の注意点3か条

さて、ここまでお読みいただきまして、ありがとうございました。
ふだんスマホカメラで撮影をされない方にとっては目からウロコだったのではないでしょうか?意外とイケるスマホでの夜景撮影。
最後に注意点として3か条を挙げてみました。これさえ気をつければ皆さんはスマホカメラマン!

1・撮影の前には必ずレンズを綺麗なハンカチなどで拭きましょう。スマホはとにかく触れる機会が多いので、常にレンズは指紋だらけだと思っていてくださいね。
2・夜景撮影を行なうとバッテリーを思った以上に消費します。バッテリー残量が少ない時は最小限の使用にとどめましょう。
3・自撮り棒の禁止エリア(一部の駅やショッピングセンターなど)では使用は避け、手持ちで撮影をするように心がけてください。
なおビルの展望室などにおける「三脚使用禁止」場所は、あくまでの三脚の使用禁止であり自撮り棒は別の場合がほとんどですのでその時は使用してシャープな夜景写真を記念に残しましょう。

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