工場夜景を撮ってみよう!

工場夜景巡りが熱い!

今、工場夜景は一つのブームとなっているようで、旅行会社各社からはバスツアーやクルージングが目白押し!
向こう3ヶ月先まで予約がいっぱいなどという話も聞いているほど加熱しています。
夜空の下に輝く製油プラントや製鉄所は昼間の姿とは全く違った様相を見せ、まるで宝石箱のようにキラキラと美しく
輝いています。コンビナートと呼ばれる工業地帯は住宅街から遠く離れた湾岸エリアに集中しているため
なかなかふだんはその姿を目にする機会が無い事もあって、ほとんどの人はその幻想的な光景に息を飲むことでしょう。
そして誰もが一度は写真に収めてみたい!と思わずにはいられなくなるに違いありません。
今回はそんな工場夜景の撮影や写真の表現方法についてご案内したいと思います。

 

撮影の難易度が高すぎるクルージング

夜景の撮影はカメラを三脚に乗せてスローシャッターでじっくりと撮るのが基本であるという事は別項でご案内の通りです。
工場夜景も同様、基本的にはスローシャッターで撮影を行なうものですが、中には例外もあります。
それが海上から眺めるクルージングですね。
狭い船の甲板には三脚を立てるスペースもありませんが、なによりも船そのものが揺れているために
三脚を立てる事そのものに意味が無くなってしまいます。
よってクルージングの場合は手持ち撮影が基本となり、さらにカメラブレとの戦いになるために早いシャッター速度と
高い感度設定が必要になります。また常に足元はゆらゆらと揺れているため難易度の高い撮影になってしまいます。
クルージングでは撮影よりも観賞を楽しむ方がベターかな?というのが私の見解ですね。

 

川崎エリアは工場夜景スポットの宝庫!

東京周辺でお勧めの工場夜景スポットは?と聞かれたら、真っ先に川崎エリアと答えるでしょう。
いわゆる京浜工業地帯と呼ばれる場所で、一つのエリアに石油コンビナートと製鉄所の2大産業がひしめき合っている工場夜景ファンにはたまらない光景が広がっているエリアです。
例えばデートで「ボクは製鉄所夜景が見たい」「私は石油プラントの方がいい」と意見が分裂しても川崎エリアの工場地帯なら一度に両方を回る事ができるため、お互いケンカをせずに済みますよ(笑)製油系の工場夜景はプラチナ色の白色照明をベースとしたクールな色彩を放っているのが特徴で高く伸びた煙突の先にはフレアスタックと呼ばれる炎が断続的に燃えているのが印象的です。
轟音とともに噴出す炎が周囲一帯を明るく染め上げる瞬間を写真に納めてみたいものですね。
またプラントを取巻く数々の配管も工場ファンの心を揺さぶるものがあるようで、眺めているだけでもゾクゾクとしてくる感じがしますね…(^^ゞ
製鉄所の工場夜景はオレンジを主体とした暖かみのある色調が特徴となっていて、クールな石油系とは正反対の印象があります。
プラントも石油系のようなメタリックなものでは少なく、配管もほとんど無いために面白味に欠けますが大型のクレーンやベルトコンベアが林立する様相は迫力があります。
川崎エリアはJFEスチールという製鉄所がありますが、その大半が扇島にあるため通常は近づく事が出来ないようになっています。撮影を行なう場合は東扇島西公園が一番近いスポットとなり、園内には見晴らしの良い展望台があって製鉄所の様子をはっきりと視認する事ができるのでお勧めです。
またクルージングにおいては陸からは近づけないような場所まで入り込んでいくため、とても貴重な光景を眺める事ができますよ。

 

デジカメで攻略したい工場夜景

当然の事ですが工場夜景スポットを訪問される全て方のがデジタル一眼や三脚を持っているとは限りません。
むしろ普通のデジカメをバッグの中に入れて持ち歩いていらっしゃる人の方が圧倒的に多いのではないでしょうか?
今回はそんなデジカメユーザーの皆様を対象に、失敗しない工場夜景の撮影についてアドバイスを差し上げたいと思います。
美しく輝く工場夜景を目の前にしておきながら、「どうせ綺麗に撮れないし…」と諦めるのはまだまだ早い!綺麗な写真を撮って自宅へ持ち帰りましょう!

<実践!Makoto流撮影テクニック>
デジカメで夜景を撮影してみたけど失敗だらけ、という方の多くは手ブレ写真に悩まされているのではないでしょうか?
夜景は字のごとく夜の景色なので、どうしても手ブレによる失敗が付きものという概念があります。「三脚が無いと綺麗に撮れないのか…」と思うのは大きな間違い!
ちょっとした工夫で手ブレの無い綺麗な夜景写真を撮る事は出来るんです!以下その手順を記載いたしましたので、ぜひ試してみて下さいね。

-手持ち夜景撮影 ブレ撃滅5ヶ条-
1・カメラのモードを夜景モードにセット
2・構える時には肩の力を抜いて、両脇を締める 左手は親指がカメラ底部を支えるように(親指と人差し指がL字になるように)して持つ
3・両脚を肩幅くらいに開いて立ち、左右どちらかの足を半歩前に出す。これにより前後左右の重心バランスがとりやすくなる
4・カメラをセルフタイマーモードにして撮影する。(手ブレの原因の一つでもあるシャッターボタンを押すという行為をセルフタイマーを使う事によって回避できる)
5・なるべくズームで望遠側を使わないようにする。(望遠になればなるほど画面上のブレは大きくなるため、ズームをする代わりに自分自身で動くようにする)

なるほど、これなら自分でも出来る!と思われた方もいらっしゃったのではないでしょうか?
ちょっとした工夫で今までとは違ったシャープな夜景写真を記念に残す事ができるようになるかと思います。ぜひ挑戦してみて下さいね!

 

ホワイトバランスを変えて撮ってみよう

工場夜景を撮影する時に、もし時間に余裕があるようならカメラのホワイトバランスを変えていろいろ撮ってみましょう。
通常のオートホワイトバランスでも十分綺麗な写真を撮る事はできますが、ホワイトバランスの設定を変える事によって、より幻想的な写真に仕上げる事ができます。
ここにいくつかサンプルを載せてみましたので参考にしてみて下さいね。

■ オートホワイトバランス
見た目に近い色調になるようにカメラが自動的に調整してくれるモードです。
この一覧にある蛍光灯モードと同じ?と思うほどそっくりな色調となっていますね。
おそらくカメラ側で蛍光灯モードを選んだためかと思われます。
■ 曇りモード
とてもインパクトのある色調です。
曇天の青味を打ち消そうとする働きによって赤味(というか黄色味)が強烈に浮き出ています。
見方によってはゴールド?ともいえそうですね。
躍動感のある表現を求めるのに適していそうです。
■ 白熱電球モード
ややグリーンが目立つ色調となっていて、まるでリバーサルフィルムで撮ったような色彩です。
曇りモードに比べると落ち着いた雰囲気となっておりわりと好まれる方が多いモードでもあります。
■ 蛍光灯モード
グリーン色を打ち消すべく、マゼンタ色の補正が入っているのが特徴です。
見た目にもかなり近い色調となっているようです。
■ 色温度2500k + ブルー補正
強い青味を用いる事によって、工場夜景独特のメタリック感を表現する事ができました。
タングステンフィルムを使った時のような色調となりとても幻想的な雰囲気に仕上げる事ができます。
冷たさを表現する時によく用いられる補正です。
■ 色温度2500k + グリーン補正
白熱電球モードよりもさらに濃い緑色となり現実とはかなりかけ離れた色彩となっています。
作品としての乱用は避けたいところですが、時にはこのような色彩で表現してみるのも面白いかもしれませんね。
■ モノクロ加工
見ての通りモノトーンで表現された世界です。
見る者に様々な想像を奮い起こさせるのがモノクロの良さといえるでしょう。
モノクロは昔からインテリアフォトとしても人気が高く、工場夜景のようなメタリックな被写体こそ案外モノクロに向いているのかもしれませんね。

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