夜景が美しいトワイライトタイム
- 2017/8/29
- 夜景撮影テクニック
わずか5分を狙う! トワイライトタイム写真のベストポイント
夜景写真は読んで字のごとく夜に撮影をするもの、とお考えの方は少なくないのではないかと思います。
確かにその通りではありますが、同じ場所でもより綺麗な夜景写真を撮影するためには空が真っ暗になった夜よりも薄暮の時間、いわゆるトワイライトタイムがもっとも美しい夜景写真を撮影することができます。ただ単にトワイライトタイムといってもその幅は広いもので、日没直後から完全に真っ暗な状態になるまで約50分ほどありますが、どの時間帯がベストタイムなのでしょう?
肉眼で夜景が綺麗に見える時間帯は日没後だいたい15分から20分くらい、民家やビルの窓灯りがはっきりと見える時間ですが、写真に撮ってみると意外と空が明るく写ってしまい、イメージしていたものとは違っていたなんて経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。
これは空と地上の明度比率が、肉眼で見た時と映像素子に写り込んだものとでは違って捉えているためで、この時に「なんだ、こんなものか…」とあきらめて帰らずに、あと10分待ってみて下さい!←ココがポイント☆
実は写真で夜景が一番綺麗に写るのは日没後30分ほど経った時なのです!この時に肉眼で見える夜景はかなり暗い状態になっていますが辺り一面がダークブルーに染まっている「マジックアワー」と呼ばれる時間帯で、一日の中でもっとも夜景が綺麗に写る瞬間なのです!
この時の写した画像の空と地上の明度比率がほぼ5:5となっており、作品はこの明度比率が仕上がりを大きく左右します。
ベストタイムのピークは時間にしてわずか5分間ほど!そのため複数の場所を移動しながら撮影なんて余裕もなく、狙った場所で確実に決めたいものです。
下に作例をご用意してみました。人それぞれの好みはあると思いますが、下段のプラスワンポイントも含めて参考にしてみて下さいね。
■日没後5分経過
建物の壁面にはまだ夕陽の残照が残っている感じで、空の写り込みはまだ明るく見えています。(空と地上の明度比率は8:2)
■日没後10分経過
わずか5分でこれだけ印象が変わるものです。写真用語としては夜景というよりも夕景といったところでしょうか?
CMや広告撮影で好まれるケースが多い時間帯ですね。(空と地上の明度比率は7:3)
■日没後20分経過
空の赤みが消えてくるとともに、辺り一面が濃紺色に染まり始めます。
肉眼では夜景がもっとも綺麗に見える瞬間となりますが、写真的には少し早い時間となります。(空と地上の明度比率は6:4)
■日没後30分経過
1日に1回だけ訪れるマジックアワーの瞬間!撮影画面上で空の濃度と地上の濃度とのバランスがもっとも綺麗に見える時間帯です。
しっかりと狙いを定めて何回もシャッターを切っておきましょう!(空と地上の明度比率は5:5)
■日没後30分の落とし穴!(夏場のベストタイムは時間が異なるので要注意です) 7月2日 西方向を撮影
☆プラスワンポイント☆
ここまでの話はあくまでも平均的な1つの目安として判断していただければと思います。
というのも、季節や天候、狙う方角によっては違いが出てくるためです。参考までに曇りや雨の日の場合ですがベストタイムが一気に繰り上がり、日没後15分前後だったりします。
また狙う方角が太陽の沈む西と反対側の東とでも違ってきます。
澄み切った空が広がる冬場の晴天時では西方向(上の横浜の画像)は日没後35分、東方向(上の住宅街の画像)は日没後25分、また冬場と夏場とでも暮れ行くスピードに差があり、特に夏至に近い日の西方向は日没後40分がベストタイムになったりします(上記参照)。
さらに周囲に高いビルなどが林立する都会では画面内に占める窓灯りの大きさが仕上がりを左右しますので、30分後という時間概念を一つの目安にしつつ、撮影画像を確認しながらシャッターを切ってみてくださいね。