ホワイトバランス設定による色調の違いを見る

 

オートホワイトバランス+色調微調整

 

太陽光(晴天)モード

 

日陰モード

 

曇りモード

 

白色蛍光灯モード

 

白熱灯モード

 

色温度指定(5000KB)モード
撮影地:山梨県フルーツパーク

■ ホワイトバランスを変えると色調はどうなる?

皆さんは夜景を撮影する時、カメラのホワイトバランス設定は何が一番良いと思いますか?

私たちが目にしている街の光には様々な種類があります。
蛍光灯、白熱電球、水銀灯、ナトリウム灯、車のライトなど…
これらの色調の異なる光が街の中にひしめきあって、1つの夜景を作り上げているのです。
日中の撮影であれば太陽の光だけが空から降り注いでいるので
カメラの設定も太陽光モードにしておけば、ほぼ見た目通りの綺麗な色調の写真を撮る事ができますが、たくさんの光源が合わさった夜景を撮影する場合はどうしたら良いのでしょう?

デジタル一眼にはホワイトバランスを設定する機能がありますが、
そもそもホワイトバランスとはいったい何でしょう?
ホワイトバランスとは、レンズを通って入ってくる光の波長をカメラが読み取り、その中にある白い被写体を白く写すための機能がホワイトバランスとなります。
最近のデジタル一眼はホワイトバランスの機能が非常に優れており、カメラ任せのオートホワイトバランスにしておくだけでも十分綺麗な夜景写真を撮る事ができます。

それでは作例写真を見ていくことにしましょう。

 

■ オートホワイトバランス+色調微調整

一番見た目に近いように目視で色調を合わせてみたものです。
オートホワイトバランスのものに少しだけマゼンタを加えてみる事によって、蛍光灯の緑カブリが消えています。
ただし駐車場やパーク園内にある水銀灯の緑カブリまでは完全に除去する事は出来ておりません。

 

■ 太陽光(晴天)モード

オートホワイトバランス+色調微調整のものに比べると
少し暖色系の色調となっている事がわかります。
その分蛍光灯や水銀灯のグリーン色のカブリが目立っていますが、イルミネーションのオレンジ色は見た目に近い発色をしており
とても綺麗です。

 

■ 日陰モード

太陽光モードよりもさらに暖色系の色となっており、黄色が被ったような印象があります。夜景写真にとって黄色や黄緑色の被りは濁ったような印象を与えてしまう為あまり好ましくはありません。
個人的にはあまり好きではない発色といえます。

 

■ 曇りモード

太陽光モードと日陰モードのちょうど中間くらいの色調となっており、やはり若干ですが黄色の被りが見受けられます。
ただしイルミネーションの部分の色調はこれくらいの方が自然という見方もできるので、冬場のイルミネーションを主体とした撮影においては有効なモードかもしれません。

 

■ 白色蛍光灯モード

これまでの暖色系の発色から一転して、ブルー系の爽やかな印象の夜景画像です。私がこれまで聞いてきた中において、最も多くの人が好むモードがこの白色蛍光灯モードでした。
緑色の被りもほとんど見られず、実際の見た目以上に濁りの無いクリアーな色調となっているのが特徴です。

 

■ 白熱灯モード

白色蛍光灯モードからさらに寒色系にシフトさせたものが白熱灯モードです。ここまでくるとちょっと違和感がありますね。
画面全体から赤味が無くなってしまい、イルミネーションの色もかなり不自然な感じに見えてしまいます。
意図的なものが無い限りはあまり使わない方がベターといえるでしょう。

 

■ 色温度指定(5000KB)モード

通常の日中撮影は5200KB~5500KBに指定おけば見た目に近い自然な発色をするものですが、そこから若干色温度を下げて
5000KBに指定したものがこの画像です。
赤味を少しだけ残しつつ、街灯などの緑色被りを目立たなくしており見た目にも自然な感じの色調となっております。
白色蛍光灯モードに似ているものの、少しだけ赤味を残している点がポイントとなっています。

最後になりましたが、デジタル一眼の撮影モードには通常のJPEGの他にRAWというモードがあります。
RAWは後でパソコンの現像処理を行なう必要がありますが
撮影時にホワイトバランスの設定を考える必要がなく、自宅に戻ってからじっくりとホワイトバランスの調整を行なう事ができます。
もし撮影中にホワイトバランスについて迷ったら、まずはRAWで撮影をしておく事も1つの方法といえるでしょう。
ホワイトバランスは撮影者のイメージによって大きく変わってくるものです。夜景を撮影する場合はこのモードでなければいけない、という定説はまったくありませんので、自分の思った通りの色調に仕上げてみるのが良いのではないかと私は考えています。
皆さんも1つのホワイトバランスにとらわれる事なく、色々と試されてみる事をお勧めいたします。

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