手持ち撮影と三脚撮影の違い
- 2017/8/29
- 夜景撮影テクニック
夜景撮影に三脚は必要なのでしょうか?
ある撮影会において生徒さんから「夜景を撮影するのに三脚は無くても大丈夫ですよね?重たいので家に置いてきました」という質問をいただきました。
撮影現場での質問だったという事もあって、その場では「無くても大丈夫ですよ」と答えたものの、果たして実際はどうなんでしょう?
確かに三脚が無くても夜景撮影は出来ますが、 三脚を使えばより夜景写真の表現の幅を広げることができます。
夜景撮影において三脚は大きくて重たいものほど良いわけですが、その分体力を消耗するうえ、持ち歩くのも嫌になっちゃいますよね?
今のデジタル一眼は高感度の描写特性が以前に比べて飛躍的に向上しているので、あえて三脚を使用しなくても綺麗な夜景写真を撮る事はできます。
ただしそれは「見たままの夜景」を写す事ができる、という事であって、夜景撮影の本当の楽しさを知らないまま終わってしまう事でもあるのです。
では夜景撮影の本当の楽しさとはいったいなんでしょう?下に作例を載せるとともに、手持ち撮影と三脚撮影のメリット、デメリットについて記載してみました。
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■三脚を使用して夜景撮影 (45秒露光) (メリット) ・光跡を写しこんだ夜景写真を撮る事ができる ・水平の出ている安定したフレーミングが得られる ・手ブレの無いクッキリとした写真を撮る事ができる ・ノイズがほとんど無い低い感度を使って撮影ができる ・多重露光、HDR撮影において画面のズレが起こらない(デメリット) ・移動のたびにカメラをセットするのが煩わしい ・セッティングに時間がかかる分、撮影時間が制限される ・三脚そのものが荷物になり、移動が辛くなる ・満員電車に乗るのが億劫である |
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■手持ちで夜景撮影 (0.6秒露光) (メリット) ・荷物が少ない分、フットワークが軽くなる ・撮影ポジションに縛られないので、多彩なアングルが得られる ・占有面積が少ないので周囲の人の迷惑になりづらい(デメリット) ・光跡を入れた撮影はできない ・高い感度での撮影となるためノイズの影響を受けやすい ・手ブレのリスクが高くなる ・高感度撮影はデータ使用が大きいので撮影枚数が少なくなる ・水平ラインがどうしても不安定になりやすい |
☆プラスワンポイント☆
夜景写真撮影の醍醐味の一つとして光跡を写しこむ手法がありますが、これは三脚を使用しなければまず撮る事は不可能といえるでしょう。
本当の楽しさとは光跡描写も含めて「肉眼では捉える事の出来ない夜の世界」という事になります。
最近では手持ち夜景モードを搭載したカメラもあり、これは一回の撮影で複数枚連写をし、カメラ内ソフトで合成するという機能ですが時間にして1~2秒程度、あくまでも手持ちという事もあって、合成後の画像に違和感が生じる事も多々あります。
その点三脚を使えば30秒、1分、10分とお好みの時間だけ露光する事ができますね。
さすがにそこまで長いのはちょっと…という方はコンポジット撮影という手法も可能です。10秒前後の比較的短い時間露光させた複数枚の画像をソフトを使って合成させてしまうというものですが、コンポジットこそ三脚が無ければ出来ませんので、改めて夜景撮影と三脚は密接な関係がある事を理解していただけるかと思います。。
それでも大きくて、重い、という呪縛からは逃れる事はできませんが… (^^ゞ
さて、皆さんならこの呪縛からどのように回避しますか?(笑)